横須賀製鉄所――造船王国・日本の源流
3.YOKOSUKA軍港めぐりクルーズ--軍港横須賀のいまを知る
018>間近に最新鋭のイージス艦を見る45分
横須賀軍港は湾の中ほどにある吾妻島を挟んで、東の横須賀港、西の長浦港と分けられる。もともとは、吾妻島は陸続きだったが、長浦港と横須賀港の間をショートカット水路を掘ってしまったので、吾妻島が作られた。いまは、倉庫・補給庫として日米で供用されているこの吾妻島を、反時計回りにぐるっと一周する形でクルーズは進む。
クルーズ船が出発してすぐに右に見えてくるのが、米海軍基地。文字で「A」と書かれたドライドックのゲートが見える。明治初めに建造された石づくりの3つのドライドックが、手前から第1ドック(長さ137m)、第2ドック(151m)、第3ドック(96m)と並んでいる。明治4(1871)年~17年にかけて完成したドックで、140年たった現在も現役で船舶の修理に使われている。
運が良ければそのすぐ隣の岸壁に潜水艦が係留されているのが見られる。
ドックを右に見てしばらく進むと、メリカ海軍横須賀基地の埠頭で、イージス艦など米軍の主力となる護衛艦などが停泊していることが多い。艦橋に、六角形の大きなマークが見えるのはイージス艦で、機密満載の最新鋭艦だが、こんなオープンな形でまじかに見られることに驚く。六角形に見えるのは最高水準で索敵を行うレーダー部分である。

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。
梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。
写真撮影:谷口弘幸