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ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

「日本のものづくりは、世界の財産である」(99)|第八章 ものづくりの将来性と潜在力 〜外部の価値観を取り込もう〜


いま、日本ではさかんにグローバル人材の育成が叫ばれています。日本の国も、海外に門戸を開き、人材の交流を進めるために、留学生の誘致を進めています。文科省が進める留学生誘致の目標は、2020年に30万人の留学生を招へいすることですが、2013年に18万人だった留学生数は、2016年には、20万人を突破しています。

日本で学ぶ留学生数は順調に増えているのですが、残念なことに、そうした留学生の多くが日本で働くことを希望しながら、半分の留学生が、就職先が見つからずに帰国したり、他国で就職してしまったりしていることです。
せっかく優秀な人材が日本の企業で仕事をすることを望みながら、受け入れる企業がないのです。理由は、日本語を十分に理解できないから、あるいは、外国人を雇用しても、彼らの能力を発揮してもらうことができないから。わかりやすく言えば、文化と価値観の違う人材は社内のトラブルのもとで、逆にこれまでのやり方が侵され、問題が生じるため、敬遠する・・・というわけです。

イノベーションとは異質な価値観がせめぎ合う所から生まれるのだと思いますが、異質な価値観のぶつかりを、マイナスとして避ける文化が日本の企業にはあるのですね。これを克服しないと、これからのグローバルなイノベーションはなかなか起こせないのではないかと思います。
価値観がせめぎあうなかから新しいイノベーションは生まれます。優秀な頭脳と異なる文化・価値観を持った留学生を、今後、いかに日本の企業に取り込めるか、ITの進歩で、ますますグローバル化が進むなかで、新しい時代にリーダーシップを発揮するために、不可欠な要素ではないかと思います。

 日本は、日本の良さに気付いていない、材料はあるのに、それを生かしきれていない、とよく言われます。いい材料はあるのに、それを、生かす知恵がないということが言えるかもしれません。これまでの解決策は、外国のノウハウを借り、ディズニーランドを作るという借り物発想です。
 日本人だけでなく、異文化を持った人たちの知恵を入れることで、これまでになかった新しいテーマパークの創造など、日本文化の発露法も生まれてくるのではないかと思います。そのために何が必要なのか、そうした思考法が日本人に欠けているのかもしれません。グローバルな知恵をどんどん入れて、日本の良い素材を世界に向けて発信していきたいものです。

 いま、世界の企業で、優秀な人材の獲得競争が展開されています。企業は人なり、つまり、優秀な人材を獲得することが企業の発展に大切だということですが、ところが、日本の企業の経営課題を調査すると、優秀な人材は必要だといいながら、グローバル人材の必要性は、2014年に比べて、2016年では下がっています(図)。
これはどういうことでしょうか? 当然、日本人で優秀な人材を求めているということですね。もちろん優秀な人材であればいいのですが、目の前にいる、外国人留学生が見えていないのですね。
日産自動車、ルノー、三菱自動車のCEOを務めるカルロス・ゴーンは、ベイルート生まれで、ブラジルで育ち、フランスの大学を卒業しています。パリで、ミシュランに採用されたことで、飛躍のきっかけをつかみ、今では世界的な経営者として活躍しています。
いま、日本で学んでいる外国人留学生の中に、第2、第3のゴーンになる逸材がいるかもしれません。日本の会社からそうした人材が生まれてくるのはいつのことでしょうか?
もっと、グローバルな視点で人材を考える必要があるのではないかと思います。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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