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ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

「日本のものづくりは、世界の財産である」(79)|第七章 日本人の創造性と独創性 〜ノーベル賞受賞者と創造性〜

図版原稿-7-79
正否はともかくとして、日本人は「日本人には創造性がない」というイメージをいまだに持ち続けています。そう語る姿は、多少自虐的でもあります。

創造性があるのかないのか、簡単には結論付けられませんが、ノーベル賞の受賞者数はひとつのメルクマールとして考えられるでしょう。この数字が、そのまま国の研究開発力、独創性の証明になるとは思いませんが、ひとつの参考にはなると思います。

日本人で初めてノーベル賞を受賞したのは1949年の湯川秀樹「中間子の理論」です。
原子核の中で、陽子と電子を結合させる媒介として中間子があると予想したもので、この研究そのものは、1935年に発表されたものですが、後の研究でそれが証明されて、1949年に42歳でノーベル賞を受賞しました。その後、長い間受賞者がなく、内外で日本の研究は創造性に欠ける模倣大国とさかんに陰口をきかれました。

2人目の受賞者は16年後の1965年の朝永振一郎で、3人目がさらに8年後の73年の江崎玲於奈。以降、2000年までは、81年福井健一、87年利根川進と、わずか5人にすぎませんでしたが、2016年現在は、米国籍で米国在住の南部陽一郎・中村裕二の2人を除いても自然科学系で20名と、欧米諸国以外の国では最多の受賞者を出しています。

世界で受賞者数を国別に見れば、物理、化学、医学生理学賞の自然科学系ではアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの4四か国が多く、ついで、スウェーデン、スイス、ロシア、オランダ・・・となっています。日本人はと言えば、20人、米英独仏について世界で5番目の受賞者数です。

戦前までは、受賞者が欧米諸国に集中していたため、合計で見るとこれらの国から多くの受賞者が出ています。そういう事情を念頭においてみれば、日本の授賞者数は、遅れてきた青年としては、かなり健闘していると言っていいのではないでしょうか。

「076.科学先進国は時代とともに変わる」でご紹介した北海道大学の杉山は、科学・技術の先進国は、歴史の変遷とともにたえず移動していたと書いています。ここしばらくはアメリカの時代が続いていますが、2000年以降に限って、自然科学系3賞のノーベル賞受賞者数をみれば、日本は2000年:白川英樹、01年:野依良治、02年:田中耕一・小柴昌俊、08年:小林誠・益川敏英・下村脩、10年:鈴木章、根岸英一、12年:山中伸弥、14年:赤崎勇・天野浩、15年:梶田隆章・大村智、16年:大隅良典の計15人が受賞しています。

これは、米国74人、英国19人に次ぐ人数で、日本の後は、フランスとドイツが続いています。2000年以降を見れば、イギリスは、出生国が異なる受賞者も多く、日本はイギリスとならんで、ドイツ、フランスをしのいで、ノーベル賞の授賞者数は日本が世界第2位の位置にいるのです。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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