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ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

梶文彦の「ものづくり 日本の心」(31)|第二章 日の丸演説―日本のものづくりの出発点 〜ブータン・ワンチュク国王のメッセージ〜


2011年11月17日、日本を訪問したブータン王国の若きワンチュク国王は国会で演説を行いました。その中で日本に対する思いを次のように語ってくれました。

「2011年は両国の国交樹立25周年にあたる特別な年であります。しかしブータン国民は常に、公式な関係を超えた特別な愛着を日本に対し抱いてまいりました。私は若き父とその世代の者が何十年も前から、日本がアジアを近代化に導くのを誇らしく見ていたのを知っています。すなわち日本は当時開発途上地域であったアジアに自信と進むべき道の自覚をもたらし、以降日本のあとについて世界経済の最先端に躍り出た数々の国々に希望を与えてきました。日本は過去にも、そして現代もリーダーであり続けます。」

ワンチュク国王は、日本を高く評価していると話してくれたのですが、わたしたち自身がこうしたことをどれくらい認識しているでしょうか。

いま、アジアの時代と言われています。中国を中心としたアジアの国々の経済発展が注目されるようになったのはほんの最近です。百数十年前のアジアは、多くの国が欧米諸国によって侵略され、植民地として蹂躙され、資源の収奪が行われていました。

そんな中で、日本は西洋文明に出会っても屈服せずに、その知識や技術を取り込んで自分のものとし、産業を興してやがて列強に並ぶほどの力をつけました。

その意味で開国は、日本にとっては国内改革の大きな契機でしたが、同時に、欧米列強の覇権主義に対して、遅れた「半文明国」とみられていたアジア地域の国々にも西欧の諸国と同じ可能性があることを認識させるきっかけとなった、世界史的にもきわめてエポックメーキングなでき事だったということができます。

そして、それを可能にした原動力が、維新以来の富国強兵政策を支えた殖産興業であり、日本の「ものづくりの力」であったと言えます。欧米列強の支配体制という世界のパラダイムを大きく変革する源泉に「ものづくり力」があったのです。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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