特別企画セッションコーディネータインタビューその3|小島プレス工業さんの失敗歓迎の風土とは?
2015ものづくり総合大会の生産セッションコーディネータ 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの石山真実氏にお話を伺いました。日本能率協会の成冨一仁がインタビューします。(以下敬称略)
小島プレス工業さんの失敗歓迎の風土とは?
成富
小島プレスさんの発表はいかがでしたか。
石山
小島プレスさんの、ものすごく特徴的なのは、お客様が、驚くレベルの提案ができないとダメだという文化です。
発表内容を聞いていますと、お客様もおっと!思うような物を打ちだしていかないといけない。
簡単に言いますと、今世の中にない画期的な、ものづくりを、いつもお客さんに、提示していく。
だからお客様が、小島プレスさん以外のところに、注文だす気にならないのだと思います。
いつも先端のものづくりを、トレースじゃなくて、生み出している。
それが、ここの会社の大きな特徴だと思います。
そのベースにあるのは、失敗歓迎の風土だと思います。
投資案件であっても、失敗歓迎なのです。
通常投資案件を失敗すると、誰がどう何故失敗したのか責任追及になりがちだと思うのですが、ここの会社はトップから一貫した思想は、失敗歓迎です。
これは何を言っているかというと、行動することが歓迎だと、行動すればその結果は、失敗もあるし成功もあると。
新しいモノに、チャレンジをして、失敗しても、いいじゃないかと、次の成功のネタが、1つ見えたじゃないかと。
成功するまでトップが支援しつづける、お金も知恵も支援し続けるので、これを一生懸命やっている会社の方々は、ほぼ成功するのです。
要は成功するまで、やるからね。
成功すると、そこに自信もつくわけです。
そして成功体験から次またやろうかというモチベーションに繫がるのです。
それが、非常に、言うは易く行うは難しの、マネジメントだと思います。
トップがそういう思想なので、幹部の人達も失敗をせめない、そこがベースとしてあると思います。
もう一つは、技術力が、高いからできるとか、できないとかを、まったく気にしていないのです。
技術がなかったら探せ、とにかく何が出来たらいいのかを一生懸命考えて、その為に必要な技術は世界に向けて探せと。
今インターネットとか、大学の研究機関とか、いろいろなところで、どんな研究をしているのかが、すぐわかるじゃないですか、なので自分達のやりたい事を成功させる為の、技術要素さえわかれば、それは世の中に、要素として芽が、あるのかどうかが、すぐわかるわけです。
芽さえあれば、今その技術が、世の中にないとしても、共同開発していけばいいと言う意味です。
そうやっておっと!思うような物を、生みだしたら、それを展示といいますか、公開する仕掛けも持っているのです。
食堂ぐらいのスペースに、成功したもの、失敗したもの、お客さんのところから指摘されたクレーム、そのクレームの対処を、どう対処したのかも含めて全部展示しているのです。
その展示している物が、同じではなく、変っていくというのが、この会社の技術力のレベルアップなのです。
その展示は、当然工場見学に来る人も見られるし、お客さんも見られる。
そのあたりに小島プレスさんの強みがあるのではないでしょうか。
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