ヤマハ発動機インタビューその2
2014 ものづくり総合大会(2014年2月19日~21日)にあたり、開催前に行ったインタビューです。
調達機能が重要になっている理由とは?
安部
調達機能の強化が、最近特に重要視されてきていると感じます。
井上
2008年頃に、新機種を専門に作るバイヤー集団として、「モデル軸でみるプロジェクトメンバー」と「モーターサイクル機能をシステムでみるメンバー」の体制をつくりました。
同時に、モーターサイクルの技術部門に原価革新という部署が出来ました。原価を徹底的に革新することに取り組みました。
生産本部では、生産革新を推進する部署が出来ました。いわゆる理論値から導いた最も理想的な作り方と現状を比較することで出てくるロスを削減していくことに取り組みました。
そして、調達は特にセクション軸で取引先と連携するバイヤー達が、設計や生産と一緒に活動することで効果を発揮しはじめました。
従来は図面を描いた後に一緒に活動していましたが、図面ができる前に一緒に討議するコンカレントエンジニアリング体制が構築されました。調達の改革は、「図面を受けとって仕事するな」「図面を作り込め」という言葉と一緒に進められました。
その後、原価革新統括機能として設計・生産・調達の部門がひとつになりました。
そして現在はプラットホーム化を推進するということです。例えば部品軸でプラットホームの構想を立て、プロジェクト化して共通化していく活動を推進しています。
図面検証から発見したこととは?
安部
部門が協働して図面の検証をされる際、調達の方々もそれに加わるのですか?
井上
技術・製造・調達とお取引先が一体となって取り組みました。
「こんなつくり方でいいのか?」「こんな材料使っていていいのか」とかそんな話がたくさんでていましたね。
開発の上流工程から作り込みをするチャレンジしてみようということになりました。
この辺のお話しが、今回の講演のひとつのポイントになると思うんです。
単に調達するバイヤーじゃなくて、理想の作り方をベースに取引先と一緒に活動し、材料も含めた最適調達をするためのアイディアを取引先と一緒に練るという活動は、一番成果がだしやすいと思いますね。
調達品一つ一つの話しをすると、サプライヤーも一つ一つの話しになりがちですが、例えば3年~5年のスパンで、この部品がどうなっていくかという話をすると、アイディアのだし方も全然違います。
ノウハウはサプライヤーが持っていますから。
安部
成果はコストと、それからスピードもありますか?
井上
開発時間の短縮も狙いにしています。プラットホームが決まっていれば、モデル展開の際に新たに設計が必要なくなります。
関連する講演は・・・
2015ものづくり総合大会
2月19日(木)10:00~16:30
トヨタ自動車 花王 ボーイング・ジャパン
調達分野Cセッション 「サプライチェーンマネジメント/開発購買」
2月20日(金)10:00~16:30
日本通運 日本能率協会コンサルティング オムロン