ものブロ

オープニングセッション講演録④
デンソー 有馬浩二氏
『デンソーのモノづくり革新』

日本能率協会ものづくり総合大会事務局です。
いよいよ講演録公開も本日をもって最後となります。

2月15日最後の特別講演はデンソーの有馬浩二氏に『デンソーのものづくり革新』と題し、ご登壇頂きました。
『ものづくりは楽しいという思いを共有したい』と考え、今日の講演を引き受けたと言う有馬氏の一言からスタートした講演は終始大変熱量の多いものでした。

講演ダイジェスト
・デンソーが取り組むコンカレントエンジニアリング、人財育成とは
・デンソーが目指す『桁違いの現場』

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『皆さんにとってものづくりは?』という問いかけをオーディエンスに対して行い、有馬氏自身にとってのものづくりは『ワクワクしながら純粋に楽しむこと。小さなころに紙飛行機で友達と遊んだ際に‘いいものを作りたい、友達をあっと言わせたい’と考えて作っていた時と変わらない思いを今も持っている』としたうえで、『ものづくりはやっぱり良いな』と今日の講演を聞いて思ってほしいと述べました。

そんな有馬氏は、社長に就任されるまで、生産技術畑を一貫して歩んでこられた方で、講演中何度も『ものづくりが僕は本当に大好きだ』と繰り返し言葉に出す姿が印象的でした。

デンソーが取り組むコンカレントエンジニアリング、人財育成とは

デンソーは、昨年より、『Crafting the coreよりよい社会を実現する』というスローガンをかかげ、ものづくりに取り組んでいます。
デンソーの製品は、ソフトウェアからハードウェアに至るまで多岐に渡っており、年間38か国で4.4万品番、120億個/年もの製品が製造されています。
今日の講演で有馬氏は、『デンソーならではのものづくり』の特徴として、開発技術と量産技術の維持、向上のために①コンカレントエンジニアリングと、②人財育成への2つに力を入れていると言及しています。

コンカレントエンジニアリングとして、デンソー社内では『大部屋活動』と呼ばれる活動が行われています。組織の壁を取り払い、同じ部屋の中で工機、生産技術、保全、設計も共に活動し、余計な資料を作らず現地現物で議論をし、即決、即具現化、評価をします。

こうして企画~生産まで素早くPDCAを回し、量産を実現可能にする技術を作り上げているのです。同じ部屋の中で現物を目の前にして語り、仲間と助け合いながら自らの手で作ることで、喜びや緊張感と躍動感、安心感を得ることができ、社員のものづくりへの愛着や向上心をより高めることができていると有馬氏は語ります。
有馬氏は今でも自らこの大部屋活動が行われている部屋に足を運び、若手社員の議論に耳を傾ける時間を大切にしているとのことで、その理由として、ものづくりの「気」がある場所が好き、よい「気」が流れている場には一体感があるからと述べていました。

また、現場は生き物です。
日々様々な事象が起きる現場で俊敏に対応し、日々の生産を維持し、「主役は人である」という思いを忘れずに、進化しつづける現場づくりと改善を行う必要があるとしたうえで、デンソーが目指す『現場力』とは、
Do(当たり前)→Work(改善)→Play(革新)の3ステップで実現するものとしています。
当たり前は責任と規律を守ることで、改善はものづくりへの愛着と愚直さ、そして革新は遊び心と鍛錬によって実現します。デンソーではものづくりが大好きな人を育て、革新を続けることこそを現場力としているのです。

デンソーが目指す『桁違いの現場』

最後に、自動車業界が現在直面しつつあるパラダイムシフトについて言及したうえで、IoTの可能性についても触れました。
有馬氏は『桁違いの現場』をIoTで実現すると言います。
この『桁違いの現場』とはどういったものを指すのでしょうか。
KPIが優れている、無人化工場・・・そういった状態を指すのではなく、有馬氏は『驚きと共感のある現場であり、気に満ち溢れ、リズムの良い現場であり、ここ一番、有事を乗り越える現場』こそが『桁違い』であると言います。
これらの現場を実現するべく、まずは無駄の極小化が必要であるとします。その上で、現場の知恵を活かして正しく可視化をすること、質の高い情報を現場から発信し、改善と革新に繋げていくことこそがIoTに求められる要素であるとしています。
また、IoTにより得た情報の活用に関しては、『データを取り出すだけでよいものづくりにはならない』と述べ、心の通い合った情報共有こそが、よりよいものづくりのために必要であるとしました。
将来のものづくりに向けて、達成感や感動、成長を感じられるひとづくりを行うこと、そして志を共有し、互いに感謝、尊敬しあえる仲間づくりが大切であると講演を締めくくりました。
また、当日はデンソーの現場風景の映像も各所で放映されました。朝礼やマシンの保全を丁寧に行う社員の様子、有馬氏の『情熱と笑顔でワクワクするものづくりを行う。』という言葉からは、同社の一体感に満ちたダントツものづくりの様子を垣間見ることができました。


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