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【講演者インタビュー】2月22日 トヨタ自動車 勝又氏

2018ものづくり総合大会にてご講演いただく、トヨタ自動車 Mid-size Vehicle company MS製品企画 ZV チーフエンジニア 勝又 正人氏に、日本能率協会の小高がお話をお伺いしました。
(以下敬称略)

企業としての存続の危機感、それが「TNGA」

小高
今回は、Toyota New Global Architecture(TNGA)と新型カムリの開発についてご講演をいただきますが、このカムリの開発において、TNGAとはどのようなものだったのでしょうか。

勝又
追い風であり、無くてはならないものだったと思います。

小高
具体的には?

勝又
自分たちの作るものにこだわりを持っており、「かっこよいものを作りたい」というのは、すべての開発者が持っている志だと思います。

小高
先日も、「かっこいい車を作りたい」とおっしゃってましたね。

勝又
組織の中で、その志を基に何かを実現しようとすると、いろいろと必要になってくるものがあり、その一つがTNGAであったといます。
そもそも、自動車の全面的なフルモデルチェンジというのは、同じ車種に30年間携わっていたとしても、2回巡り合えればラッキーというくらい少ないものでしょう。
中には、開発の一部だけをいくつか請け負うことはあるが、最初から最後まで担うことができる、というのは、稀有な経験です。

小高
それは意外でした。

勝又
私自身、カムリの3世代前のフルモデルチェンジの時に携わりました。
ただ、その時も、今回のような「全とっかえ」とはなりませんでした。

小高
その理由は?

勝又
事業体である以上、経営的な観点が無ければいけません。
製品開発に掛かるコスト、開発リソーセス、種々の投資、量産時の工程など開発した後のことも考慮する必要があります。

小高
たとえば、競合他社との比較なども?

勝又
当然、含まれます。
TNGAとは、単にプラットフォームの共通化だけではなく、仕事の仕方そのものを変えていくことであり、それが無ければ今回のカムリはありませんでした。
規模の大小にかかわらず、良い車を作り続けることが出来なければ、勝てなくなる、企業としての存続の危機感、それがTNGAです。

小高
TNGAにより、設計の自由度は上がりましたか?

勝又
従来の「なんとなく制約のあるデザイン」ではなく、このTNGAでは、「カッコよさ」と「走りの良さ」を両立するデザインが可能になりました。
皆で頑張って作ってくれたと思います。

小高
ものづくりが変わった、と?

勝又
狭義の「ものづくり」としては、TPS(トヨタ生産方式)や「品質のトヨタ」と言われるように、生産方式と品質の両面とも、自負があります。
これは変わっていないと思います。
一方で、この考えが強すぎると、「大企業病」になる恐れがあります。

小高
具体的には?

勝又
前例踏襲、というか、チャレンジしなくなります。
我々の仕事は、5年後、10年後においても、強くあり続けること、次の世代に、強いままで残すこと、これが共通の危機意識としてなければならないと思います。

小高
今回の新型カムリで、勝又さんが「かっこいい」と思う個所を、あえてひとつあげるとしたらどこでしょう?

勝又
リアクオーターです。
ここに曲線をつけているのですが、この曲線を出すには、高い技術が求められます。
「モデル」として作るのであれば対応できるのですが、大量に作る、となるとすべての工場で均一にできることが必要となります。

小高
こだわりの部分ですね。

勝又
人間は自然に「機能美」を感じます。
車の足元が「どっしり」していることで、外観から安定性を感じます。
一方で、あまりに「どっしり」しすぎて四角形に近い形状では、「重たさ」を感じます。
かつてのカムリがそうでした。

小高
確かに、以前のモデルの中には、いわゆる「おじさんセダン」がありますね。

勝又
そうです。
開発に携わった若い人には、まず、このクレイモデルを見せて、格好よさで巻き込みました。
若い人は、良い意味で「怖いもの知らず」なので、まずはこの格好よさでひきつけ、そこに向けて実現する努力をしていました。

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~次回に続く~


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