【講演者インタビュー】2月23日 日産自動車 塩飽氏~その2
2018ものづくり総合大会にてご講演いただく、日産自動車 パワートレイン生産技術本部 エキスパートリーダー 塩飽 紀之氏に、日本能率協会の小高がお話をお伺いしました。
(以下敬称略)
「アーリーアダプター」になる必要性を感じています。
小高
そのほか、どのようなことをお話になるのでしょうか?
塩飽
ちょっと泥臭いお話になると思いますが、これまでの改善活動をご紹介できたらと思います。
小高
具体的には?
塩飽
従来の部品を見直しました。
たとえば、加工の度合いを「ここまでする必要は?」などです。
車載部品やその素材、制御方法が変わってきている中で、以前と比較すると緩やかな加工でもよい場合もあります。
小高
逆にシビアになってくるものも?
塩飽
当然あります。
今までは、「この程度でよい」と言っていたものが、「この範囲でないとだめだ」となる可能性もあります。
小高
それがサプライヤーさんと一緒にやってきた事例ですね。
塩飽
昔、上司から「お前では出来ないことをサプライヤーさんがやってくれている」
と諭されました。
確かにその通りで、Win-Winでないと関係が続きません。
小高
一緒に改善活動を行ってきたのですね。
それを基に、開発段階から一緒に作りこんでいく、という事でしょうか。
塩飽
そうです。
冒頭にも申しあげましたが、ルールが大きく変わります。
となると、従来の延長線では対処できない課題も出てくる、または、勝ち抜けない可能性もあります。
小高
確かに。
塩飽
イノベーター理論では、イノベーターは全体の2.5%、アーリーアダプターは13.5%、アーリーマジョリティは34.0%と言われています。
個人的な見解ですが、自動車業界は、この「アーリーマジョリティ」にならざるを得ないように思います。
小高
「人間が乗る」ということで、安全性が担保される必要があるからでしょうか?
塩飽
だと思います。
いきなり、まったくの新しいものを適用できるとは思いません。
ただ、ルールが大きく変わるなかで、少しでも「アーリーアダプター」に近づく必要があると思いますし、私自信も、アーリーアダプターでありたいと思います。
その為には、常に「目的は何か」を考え、新しいものの考え方を取り入れ、外部の方と一緒に開発していくことが必要と考えます。
小高
ご講演を楽しみしています。
本日はありがとうございました。