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特別企画セッションコーディネータインタビューその4|コマツの企業文化「ダントツ」の真価とは?

2016ものづくり総合大会の特別企画セッションコーディネータ 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの石山真実氏にお話を伺いました。(以下敬称略)

コマツの企業文化「ダントツ」の真価とは?

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石山さんには、Aセッション「グッド・ファクトリー賞優秀企業事例に学ぶ」をご担当頂きました。
個別の発表や全体を通じ、感じられたことをお教えください。

石山
まず、コマツからいきましょう。
コマツで1番のポイントとなったのは、「ダントツ」を企業の文化として持っていることです。

「よそより頑張って少し勝つのではなくダントツに勝つ」、「ちょっとずつ変わろうではなくてダントツの変化をする」と言った社内文化を持っています。
ダントツになるためには、今までと同じ視点で頑張っていたのではできません。
今まで考えもしなかったことをしなければいけないでしょう。

普通の会社なら今まで思いもしなかったことを提案したら、「お前、何をバカなことを言っているのだ」とか「そんなことができるわけがないだろう」となりますよね。
コマツの社内文化には、そういうところがないのです。

OBを集めて若手と「ワイガヤ」(年齢や性別、役職を越え、気軽に話し合うこと)していることが、今日の質疑でも出てきました。

普通ならOBは経験値をいっぱい持っていますから、若手が「こんなことできませんかね」と問いかけてきても、「お前は何を言っているのだ」、「そんなことができるわけがない」、「俺も昔トライしてみたが、だめだった」と言ったような回答を返すと思います。

OBの知恵を借りるということは、とてもリスキーなのです。

だけど、「ダントツの視点を持ってやっていく」という文化があるので、OBの人たちが「難しい」と思ったことに対しても、「面白いね」と言えるわけです。

「それだったら俺の知恵の範囲でこんなことが可能かも」とアドバイスができ、その相乗効果が若手の育成に大きく貢献している感じがしました。

今回の新工場でたまたまOBとのワイガヤの話が聞けましたが、恐らくコマツで何かダントツなことを目指したときには、上司と部下でも先輩と後輩でも必ずこういうことがあるのでしょう。
その場で自分を否定されず、新しいものを生み出せた若手が育ち、また幹部になっていきます。
そして、次の世代の若手と対話したときに、「お前、それはおかしい」と言わずに、「それは面白い」と答えます。
これがずっと連鎖し、この文化が強化されていっている感じがしました。

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先輩の経験を押しつけないというのでしょうか?

石山
そうですね、あるいは現状の当たり前を押しつけないというべきでしょうか。
変わったことを言えば言うほど面白いとなります。
そこがすごく大きなことですね。

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キーワードとしても登場していますよね。

石山
やはりダントツ、ダントツと出てきます。
ダントツということは従来と違うことになりますからね。
違うということは一般に否定されますが、そこが否定されないということがまず、重要なキーワードだったのでしょうね。

否定しないにしても、ダントツのアイデアを実現するのは難しいものです。
それなのに、実現に向かってOBや地域の人たちと連携して様々な知見を自由に集め、結果として実現に成功しています。

実現するに当たって、地元を大事にしている点もポイントです。
「ヨーロッパにバイオマス発電で使えそうなチップがある」とは言わないで、「ヨーロッパにバイオマスがあるけど、地元のバイオマスにこのチップを使うためにどうすればいいか」と考えるわけです。
するとまた、地元をテーマにワイワイガヤガヤと議論が進みます。

その結果、チッパーというチップを作る機械を作って地元の間伐材をチップに使うように工夫が生まれるのです。
普通だったら、省エネも達成できるし、「ヨーロッパにいい機械があるから、それを輸入しよう」となりますが、あえて地元の人たちをダントツの仲間に加えています。
これもまた注目するポイントでしょう。

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地元も大切にしているわけですね。

石山
やはり地元あっての会社という精神が、創業から続いているわけです。
ダントツだったらなんでも良いわけではなく、できるだけ地元と一緒にダントツを目指そうとしています。

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地元と一緒に成長するということですね。

石山
だから、本社機能を地元に移すというのは珍しいですよね。
本社機能の全てではないでしょうが、石川県に移しています。

これにより、地元は活性化するでしょうし、会社にはコストが安くなるなどのメリットがあると思いますが、そういうことも踏まえてやっているのです。

そう考えると、コマツが考えるダントツとは、若手の新しい視点を否定せず、OBの知恵も使って実現させることと、地域の人たちとともに未来を目指すことではないかと感じられます。
そんなところが非常にうまいやり方と言えるのでしょう。

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