ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

「日本のものづくりは、世界の財産である」(91)|第八章 ものづくりの将来性と潜在力 〜急速に進む技術のモジュラー化〜

かつて日本が、先頭を切って家電製品を世界の市場に送り出していた時代、家電製品は先端技術を生かしたイノベーティブな商品でした。過去の蓄積された技術がベースとなって専用の部品を作り、新製品が作られていました。新製品を生み出すためには、摺り合わせながら組み合わせて高品質を実現する新しい技術が必要で、そうした技術を統合化して作りだされるインテグラル型のアーキテクチャーを持っていたのです。

しかし、技術が高度化し、ITが発達した現在、設備・部品に半導体を使った電子部品が組み込まれ、それが自動で作られるようになって、PCをはじめとして家電製品は、基本的な技術さえあれば、部品を購入して組み合わせ、インターフェースを工夫することで誰でもが作れるようなモジュラー型の商品になってしまいました。日本が得意としてきた、技術の摺り合わせで作り上げるものではなく、あたかもレゴブロックのように、組み合わせて作られるような商品になっているのです。

現在は自動車がインテグラル型製品の代表ですが、電気自動車が普及するようになると、次第にモジュラー型の組み合わせ型商品になっていくと予想されています。現状では自動車業界への新規参入は簡単ではありませんが、電気自動車が普及することで、モジュラー型に変化し、新規参入はよりやりやすくなるでしょう。
現在は、安全性への需要から一ケタ高い精度が求められている航空機産業でも、やがて、そうしたプロセスをたどることが予想されます。そしてさらに1ケタ高い精度が求められている医療用の製品にも波及していくことになるでしょう。
その流れを止めるにはどうしたらよいでしょうか。そのためには、新しいイノベーションが必要で、その一例がメカとソフトの世界に、新たに通信機能を加えたIoT技術の活用です。ドイツが目指すindustrie4.0がまさにこの領域です。

モジュラー型の商品になった状況で求められるのは、それまでになかったまったく新しい機能を備えた商品の開発と、低コストで作り上げる力です。
新しい商品の開発に関しては次項で述べるとして、低コストで作り上げる力に関して言えば、日本が苦戦している中国や韓国の企業のものづくり力の源泉に日本の技術があることを確認する必要があります。

かつて日本が強さを誇っていた半導体産業や家電産業などの分野で、日本はアメリカや韓国や中国の企業の後塵を拝しています。熾烈な競争を展開しているライバル企業の多くは、日本製の高度な部品やシステムを使い、それが、製品の品質や特性・機能を支えるカギになっていたりします。
日本の最先端のものづくり技術がうまくマネジメントを得れば、グローバルな競争力をもつことは難しくないでしょう。世界でオンリーワンの高度な技術力をもちながら、日本が市場を奪われている原因は、その技術力や高品質づくりのノウハウを活かしたビジネスモデルを確立できなかった、マネジメント、つまり経営の問題があることがわかります。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。
梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。
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