ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

「日本のものづくりは、世界の財産である」(89)|第八章 ものづくりの将来性と潜在力 〜前提は高度な加工技術〜


製造業にとって、何を、どうつくるかは、経営の根幹にかかわる重要なポイントですが、何をつくるか(研究開発・商品)にばかり目がいって、どうつくるか(生産技術・製造)にはあまり関心が払われない傾向があります。しかし、実は製造業が成功するかどうかのカギは、どうつくるかの技術が握っていると言っても過言ではありません。

問題は、ものづくり力を向上させるだけではなく、それを活かしたマネジメントが確立されていることが大切なのですが、この点が私たちに欠けているのではないかと思います。
商品化する過程では、技術の有無が成果を大きく左右します。たとえば、長い間、人類の夢であった「さびない鉄」ステンレス鋼は1912年に製品化されましたが、溶接技術が開発されるまで、限られた用途でしか使われませんでした。広く普及するには、溶接技術が確立されるのを待たなければならなかったのです。

自動車は、1800年代末にガソリンを使ったエンジンが開発され、自動車会社がたくさん設立されました。多くの工場が従来のやり方で一台一台組み立てている中で、自動車を一気に普及させ自動車業界でイノベーションを起こしたのは、1908年にフォードが部品や作業法を「標準化」することで「分業システム」を取り入れ、製造ラインにコンベアを採用してT型フォードの大量生産を可能にしたからです。

後にフォードシステムと呼ばれることになった、コンベアを利用した流れ生産による大量生産システムは、自動車という新しい商品の開発によって可能になったのではなく、
・すり合わせなしでも交換可能な標準部品の生産を可能にし、
・作業を標準化して各工程ごとに所要時間を均一にし、
・それを、コンベアを使って流しながら生産する
という生産技術的な工夫からもたらされたものです。

新しい素材や技術が開発されたあと、それが実用化・商品化されるためには、どうしてもそれを、高品質で効率的に生産・利用するための技術を開発するという大きな壁を乗り越えなければならないのです。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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