ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

「日本のものづくりは、世界の財産である」(81)|第七章 日本人の創造性と独創性 〜「改良・工夫の国」アメリカの成長〜

いま、世界で最も創造力と独創力を発揮している国がアメリカという意見に異論はないでしょう。ノーベル賞の授賞者数や海外からの留学者数も人気も圧倒的です。しかし、その核になっているのは、世界からアメリカに研究環境を求めて集まってきた人たちです。

そのアメリカが、どのような経緯をたどって現在に至ったのかをみれば、創造力や独創力がどのようにして獲得されていくのかが分かります。
本稿コラムでは、最初に、アメリカ職人の仕事ぶりをご紹介してきました。
その際、アメリカ人たちは、
・ヨーロッパの発明は巧みに実用化される。
・人々は勤勉であるが、発明者たちはほとんどいない
・この国の人は生まれついての職人である
・職業が喜びを構成し勤労が楽しみをもたらしている
・この国の職人は、常に改良を施す。何時も何か新しい工夫を凝らしている
と言われていたのです。

150年ほど前のことですが、アメリカは、創造性・独創性よりも、ヨーロッパで発明されたものに改良をくわえて、もっぱら実用品づくりに力を発揮する国であったことが分かります。
そのアメリカが、文明の発達とともに力を蓄え、改良・改善から次第に新しい発明・発見へと力を発揮してきました。ヨーロッパで生まれた知識や文化を学んで取り入れ、やがて自ら創造し、独創力を発揮するようになっていったのです。

杉山滋郎が述べたように、「科学の後進国はみな、先進国から科学の成果を必死に学び取って先進国に追いつこうとし、うまくすると追い越していった、それが歴史の「常態」である。先進国から科学や技術をひたすら導入することがただちに独創性の欠如を意味するとは思えない」(前出『日本の近代科学史』)のです。

わたしたちはともすると、一時的に教えられたこと、刷り込まれたことを、盲目的にそのまま信じ続けるという性癖があります。もう少し、歴史の流れや時代の変化に目を向けて、絶えず自分たちのありようを冷静に見つめ直す、という習慣を身につける必要があるかもしれません。

少なくとも、創造性という点でも、もっと日本人は自信を持っていいと思います。
伊藤博文は、サンフランシスコでの日の丸演説で、「日本は、猶ほ未だ創造的能力を誇る能はずと雖(いえど)も、経験を師範とせる文明諸国の歴史に鑑み、他の長を採り誤を避け、以て実際的良智を獲得せんと欲す」と述べています。
「未だ創造的能力を誇る能はず」であって、文明諸国の実際的良智を学ぶことで追いつくと述べているのです。その叡智と誇りに拍手を送りたいと思います。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。
梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。
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