ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

「日本のものづくりは、世界の財産である」(75)|第七章 日本人の創造性と独創性 〜日本人の独創性〜

ここまで日本人のものづくりに対する意識や考え方、働き方を見てきましたが、日本のものづくりという点で外すことができないテーマがあります。それは、ペリーの日本遠征記をはじめ、多くの外国人から指摘され、日本人の口からもよく聞かれる「日本人は創造性に欠けるが、細工の精緻さには驚かされる」という問題です。

江戸末期の日本を訪れた多くの外国人から、日本人は、創造性、独創性に欠けるが、緻密な加工をする力は目を見張るものがある、と言われてきました。

現在においても、QCDの能力、つまり、緻密に加工し、組み立てた高品質な製品を作るという能力は、他の国々と比較して日本の製造業の顕著な特徴と言われます。
そして、日本人には、巧みに作り上げる技能はあるが、独創的なものをつくる創造力に欠けるという声もまた、海外・国内を問わず、多く聞かれてきました。いま、模倣天国と非難されている中国の姿に、50年前の日本の姿を重ねる人もいます。

製造業にとって、
・「What」何を作るか(Product:プロダクト、商品・商品企画)と、
 ⇒イノベーション・プロセス
・「How to」どのように作るか(Process:プロセス、作り方・生産技術)
 ⇒オペレーション・プロセス
の2つは、いわば車の両輪です。

この両輪がスムーズに回転することでものづくりは前に向かって前進しますが、商品開発やプロセス開発の原動力になるのが、創造力とQCDを実現する力=生産技術力です。
この創造性とQCD能力は、日本の特徴を語るときに、例えば、

創造的なものを生み出す力はあまりあるとは言えないが、
   ⇔
高品質、仕上がりのきれいさは他の追随を許さない日本の独擅場である

……というように、対語として語られることも多いようです。

戦後の高度成長期に、日本の研究者たちは、外国で生まれた研究成果を取り入れ、応用して、ものづくりに生かしてきました。そのため、一時期までは、日本の製品と言えば、「模倣」品といわれて、日本の研究者たちには独創的な研究をリードする力はないと言われ続けてきました。1970年代の初めころには、すでに日本のGDPはドイツに次いで世界第3位に成長していましたが、それでも「日本の合成皮革は、皮革の匂いがする」などと言われたことを覚えています。

いまでも製造業も経営者に聞くと、日本人の課題は創造力、研究開発力にある、という人は多いようです。
果たしてほんとうに日本人に、創造力はないのでしょうか? 次回ではこの点を考えてみましょう。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。
梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。
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