ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

梶文彦の「ものづくり 日本の心」(7)|
第一章「勤勉」は近代産業とともにやってきた 〜答えは、しり上がりの半疑問形?〜

戸惑いの原因は、「答えは日本に決まっているが、そんな簡単な問題なのか? 他に何か意図はあるのではないか?」という迷いと、「こんなやさしい問題に、自慢げに手をあげて「日本」と答えるのは、恥ずかしい」という微妙な心理が働き、お互いへの牽制もあって、手を上げられないのです。

公開のセミナーや講演会ならば参加者は同業他社の競争相手です。ここで屈託なく「日本」などと答えるのは、無知をさらすようでメンツにかかわる……というところでしょう。これは、日本人に特有の、場の空気を読む心理から来る行動ですね。

海外ならば、この国はどこですか?と聞いた瞬間に、即座に「日本」という答えが出てきます。響きが軽い。正解かどうかよりも、質問されたらとりあえず手をあげて答える、正解や深い洞察よりも自己主張することが重視される世界での風景です。

手が上がりそうもないのを見て、「言いにくいでしょうが、あえて言っていただくとどこですか?」と催促をすると、パラパラと2、3人が不安そうに手をあげてくださるので、どうぞと指名すると、逡巡しながら「・・・日本?」と答えてくれます。

しり上がりの半疑問形。こんな答えでいいのかな?と逆に問いかけています。

自信がなさそうです。

「はい、ありがとうございます。どう見ても日本を指しているように見えますね。当たり前すぎて答えるのが恥ずかしい、と思っていらっしゃったと思いますが、思い切って口に出してくださってありがとうございます。勇気を持ってお答えくださったのですが、残念ですが、日本ではありません。さて、日本でないとすると、ではどこの国を指しているのでしょうか? これが第二問です」と続けます。

ここから、みなさん迷い始めます。頭の中に、ドイツ? スイス? 韓国? まさか中国?というわけはないよねえ? などの吹き出しがたくさん出ているような顔つきをされています。ですが、手が上がりません。どの国も、「ヨーロッパの発明はそこで完成され」、「生まれついての職人」「機械や道具を考案」「職業が喜びを構成し」……というフレーズが引っ掛かり、どの国も正答と思えなくて迷っているのです。

そのうち、ぱらぱらと手が上がり、答えをいただきますが、そのたびに、「はい、ありがとうございます。そうですよね。日本でなければ他にはそのあたりが考えられますよね。残念ですが、でも違うのです」などと答えながら、「他には?」と挙手を催促します。しかし、なかなか求める正解は出てきません。

ドイツ? スイス? 中国? 韓国? イタリア? ベトナム?……と、思いつく国名があらかた出尽くしたところで質問を切り上げ、答えを明かします。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。
梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。
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