【講演者インタビュー】2月22日 TOTO 三浦氏~その2~
2018ものづくり総合大会にてご講演いただく、TOTO 機器水栓事業部 水洗開発第二部 部長 三浦 彰司氏に、日本能率協会の小高がお話をお伺いしました。
(以下敬称略)
「ものづくり」とは「お客様に喜ばれるものを追い求め続けること」。
小高
そもそもエアーを入れる理由は何でしょう?
三浦
基本的には節水です。流水量を少なくした場合、流速が下がります。それを上げるためです。また、海外では、毎分9リットルなど流水量の上限が定められていたり、毎分7.5リットル以下の場合は助成金が出たりする制度があります。
小高
なるほど
ところで、先ほどのテスト(モニター)の話ですが、「心地よい」など表現が定性的である場合は困りませんか?
三浦
確かにそれはあります。
ですが、「心地よい」と感じるものを調べていくと、流水量や水圧など、共通点が見出されます。それらは数値として扱えるので、定量的になります。
また一方では、「心地よい」という言葉は、「なめらか」「あたたかい」「包まれる」などの表現に変えることができます。これらも、まだ定性的ですが、これをいくつかのパラメータを設定して解析してみると、やはりある程度までは定量的に表すことができます。
小高
定性的な表現を定量的なものに返還して開発していくわけですね。
ところで、一つの新製品の開発までどれくらいの期間を要するのでしょうか?
三浦
一概には言えませんが、1年半ほどはかかります。
小高
他社製品は気になりますか?
三浦
それはなります。宿泊先のホテルなどでも、デザインや使い心地など、思わず確認してしまいます。
小高
最近はいろいろなシャワーヘッドがありますね
三浦
そうですね。実用品ではあるので機能も重要です。
たとえば、お湯の出方を変化させることができるもの(マッサージ、ノーマル、弱めなど)がある場合、「先圧損」が生じ、出口の抵抗が変わります。水とお湯の圧力も異なるので、このことで、温度が変わってきます。この変化を生じさせないようにすること。
それと同時に、デザインも非常に大きなポイントです。
たとえば、穴の配置により、シャワーの「顔」が異なってきます。いかに美しくあるか、です。
小高
なるほど。
最後に、三浦さんにとって「ものづくり」とは?
三浦
お客様に喜ばれるものを追い求め続けること、だと思います。