F-6:花王

2017ものづくり総合大会
F 人材開発分野セッション「ものづくり人材育成」
F-6 2017年2月17日(金) 14:50~16:30
(敬称略)

f6

花王
SCM部門 教育グループ 部長
大谷 博宣

【略 歴】
1983年 4月 花王石鹸 入社 装置技術部 配属
1993年 2月 花王 第1生産技術開発研究所 主任研究員
1997年 5月 同社 パーソナルケア・化粧品技術部 主任技術員
2000年 11月 同社 豊橋工場 プロダクション部門 課長
2004年 3月 同社 川崎工場 プロダクション部門 課長
2007年 4月 花王インダストリアルタイランド VP. Manufacturing & Factory Manager
2012年 3月 花王 ビューティケアSCMセンター生産(川崎) 部長
2013年 3月 同社 SCM部門 教育グループ 部長

花王のモノづくり人財育成の取組

  1. オペレータ リーダー教育(グローバルテクノスクール)
  2. 若手オペレータ向け体感学習プログラム(モノづくり技術・技能伝承センター)
  3. 新人オペレータ教育(インターバル教育)

花王のSCM(サプライチェーンマネジメント)部門で実施している各種研修の中から、製造部門のメンバーにOFF-JTとして実施している「グローバルテクノスクール」と「モノづくり技術・技能伝承センター」、そしてOJTの例として、新人オペレータに実施している「インターバル教育」を紹介する。

1.グローバルテクノスクール :製造現場のリーダー育成

「心と技の課題解決型人財の育成」を目指し、国内外の工場から選ばれた研修生全員が、寮生活を行いながら8ヶ月間の研修を行う。

(1)心の鍛錬:資質素養学
心の鍛錬として資質素養学(「花王ウェイ」講座,自己革新講座,成人教学,坐禅,茶道,トップ講話,論語等)を学び、見識を身に付ける。

(2)技を磨く:共通知識,専門知識
技を磨くために、 まずSCM部門メンバーに必要な共通知識として、プラントケア,安全防災,環境,品質,コスト,サプライチェーンマネジメント等を学ぶ。その後、プロセス科/機械科クラスに分かれ、それぞれが化学工学・プロセス制御,機械工学・メカトロニクス等の専門知識と技能を向上させる。

(3)心と技:ゼミナール活動
心と技を実践するために、研修生のチームが、実際の生産現場で課題を探索し、その課題解決に挑戦する。その段階で、解析・論理的思考方法を学び、更に出た解決策を現場で実行・検証するというサイクルを通して、現場での改善活動のプロセスを体験する(現場・現物・現実・原理・原則の5ゲン主義の実践)。

 注) 花王ウェイ:花王の企業理念(使命,ビジョン,基本となる価値観,行動原則からなる)

2.モノづくり技術・技能伝承センター: 若手オペレータ向け体感学習

ベテラン運転員の知識・経験・技能を、若手オペレータ(入社から5年目くらいまで)に対し、自動化設備の背景にある原理・原則として伝えるためのものです。日常のオペレーションでは経験する機会が少なくなっている、「トラブル・手動運転・非定常な作業」をオフジョブトレーニングで体感・体験する。

プログラムとしては、4つの基本項目と、その総仕上げとして訓練プラントで行う総合体感訓練からなる。

(1)フィールド操作
モデル配管を用い、化学プラントで最も多い「漏れ」トラブルをシナリオに基づいて体感し、それを未然に防ぐ運転管理技術・技能を身に付ける。

(2)CRT操作
シミュレータを用い、プラントの基本的な単位操作の「流動」「伝熱」「蒸留」の理論を学び、流量・温度・圧力のような操作因子を変えることで、その系に対してどのような影響を与えるかを体感し、監視する力、 考える力、トラブル対応力を強化する。

(3)装置内事象
実験用のガラス器具を用い、日常の生産活動で起こりうる設備トラブルを可視化し、運転管理上のポイントを体感的に学ぶものです。実験装置の組み立て、手動で圧力・温度等を調節することにより設備と自動制御の原理・原則を理解する。

(4)危険体感
危険体感機材を用い、挟まれ・巻き込まれ、過去に起きた事故を疑似体験してもらい、安全意識の高い人財を育成する。

(5)総合体感訓練

基本4項目の総仕上げとして、これらが理解されているかを確認する目的で、訓練プラントを用いて行います。手動の運転を行いながら、配管閉塞・ポンプ停止等のトラブルを意図的に発生させ、それに対し、いち早く異常を発見し、正しい判断でトラブルが回避できるかを確認する。また、シャットダウンメンテナンスのような非定常作業を想定し、例えば、タンクの内部点検であれば、作業を行う前の環境設定(残液抜出し,機器の洗浄,撹拌機やポンプなどの電源開放,酸素濃度チェック)が、きちんとできるかを確認する。

海外からは、中堅のオペレータに参加してもらい、日本で学んだ後に、自工場で指導することを目指して育成している。

3.インターバル教育:新人オペレータ教育

和歌山事業場の化学品プロダクション部門ファインケミカルから始まり、他の部署、工場へも水平展開された新人オペレータに対する教育システムとして、「インターバル教育」がある。これは、班長と直接指導者によるOJTで、習熟度表を用いて新人の成長度を確認しながら製造技能向上を進める一方、製造に関する基礎知識(安全、環境、機器構造、メンテナンス、品質、コスト 等)の座学を盛り込み、OJTとOFF-JTを組み合わせて行うことを基本としている。(教育期間の90%はOJT教育)

OFF-JT教育は各職場で必要な項目を独自に行うものとは別に、全社共通で進める方が効率的なものは、研修生が主に和歌山事業場に集まり「インターバル集合教育」として実施している。

「インターバル集合教育」

(1)安全・環境 講座:7月実施(4日間)
  講義内容:安全・防災、危険体感学習、環境、ユーティリティー

(2)設備基礎:11月実施(4日間)
  講義内容:設備関連知識、計装知識、P&ID、体感学習(配管組立、ポンプ・バルブの構造)

(3)品質・コスト:3月実施(1日間)
  講義内容:品質関連知識、コスト関連知識

特にこのファインケミカルは、手動運転主体の多品種少量生産で、R&D部門の新規製品の工業化検討も行われる開発型生産工場であることから、多くのことを学べる職場として、SCM部門全体の人財育成の場としても活用されており、新人をこの職場で育成し、数年後、和歌山事業場内外へのローテーションを推進する施設ともなっている。

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