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ものづくり 日本の心

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。
発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

梶文彦の「ものづくり 日本の心」(25)|第二章 日の丸演説―日本のものづくりの出発点 〜日本に実施せられたる幾多の改良〜

 吾等使節として当国に到着以来、到る処にて受けし慇懃なる接待、殊に今夕の特別なる饗応に対し、深厚なる感銘の意を諸君並に諸君を通じて桑港(サンフランシスコ)市民に表す。
 惟(おも)ふに今夕は、日本に実施せられたる幾多の改良に就き、精確なる概要を述ぶべき好機会なるべし。蓋(けだ)し我日本人以外には、我国内の状況に就き正確なる知識を有する者稀れなればなり。
 条約国――合衆国を以てその最初とす――との親交は維持せられ、我国民の理解に依り通商関係は増進せり。
 本使節は、天皇陛下の特命に依り、彼我両国民の権利及び利益を保護するに努むると同時に、将来に於て内外国民の結合を一層親密ならしめんことを期するものなり。我等は互に益々相知るに従ひ、双方の意思は愈々(いよいよ)疎通するに至るべしと確信す。

ここまではイントロ、相手国に対する儀礼とあいさつですね。

当時のアメリカは前述したように、独立を果たして100年、南北戦争も北軍の勝利で奴隷解放が進み、また、大陸横断鉄道も完成したばかり。蒸気機関や産業革命の成果を積極的に導入し、自らも工夫改善を進めて経済発展に自負を持っている時期です。

彼等の日本への知識については、前年、伊藤博文がニューヨークに滞在していたときに、ペリーが帰国後に表した「日本遠征記」が公開されていることを確認し、米国内に「後進国=日本」のイメージが定着しているのを知っています。

そんな空気も感じたのでしょう、伊藤は「今夕は、日本に実施せられたる幾多の改良に就き、精確なる概要を述ぶべき好機会なるべし。」と述べています。

1865年には横須賀に製鉄所が建設されて戦艦づくりが始められ、使節団が出発する時には、すでに新橋―横浜間の鉄道の工事も始められていて、半年後には品川―横浜間が仮営業します。「日本遠征記」の時代から、十数年が経過した現在、日本は急速に改良を遂げ、いまや昔の日本ではないぞ、ということを伝えておきたい。今日こそ、待ちに待ったその絶好の機会!という気負いがスピーチに溢れています。

梶文彦 写真

梶文彦氏執筆による、コラム「ものづくり 日本の心」です。

梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています。

写真撮影:谷口弘幸


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