富士ゼロックスインタビューその4
2014 ものづくり総合大会(2014年2月19日~21日)にあたり行った、開催前インタビューです。
お客様起点に変身するキャッチフレーズとは?
清水目
実は、当社はつい7~8年ほど前までは、実質的にプロダクトアウト型のものづくりをしていたんですよ。商品企画にVOCを本格的に取り入れたのもその頃ですが、ものづくりにおいて、特に生産は、設計通りに作ればいい、SCM~の量計画通りに作ればいいという風潮が少なからずありました。要は本当の意味で、お客様を向いていなかったわけです。そういう状況ですから、何かトラブルがあると設計が悪いとか、営業が悪いとか、需給が悪いとか、そんなことばかり言っている時期がありました。
その状況のなかで、当時、生産本部長の藤原から発信されたのが「言い訳しない生産」になろうというキャッチフレーズでした。
いろいろ言いたいこともあるけれど、言い訳しないためには、どうしたらよいかを真剣に考えよう、先に述べましたように、どこの機能が悪くても、お客様へのQCDは最終的には生産が持つんだという強いメッセージが、ものづくりにおけるお客様起点への変革の一歩だったと思います。
このキャッチフレーズも、次の段階では上流工程や関連部門に「ものを言う生産」になろう、でした。ものを言うためには、それを言うための実力をつけなきゃいけない、と。
そんなマインドを変える時代が結構長かったんですよ。
その後、「貢献する生産」、「期待される生産」というように変わってきています。が、本質はお客様起点でモノゴトを考えるということに尽きると思っています。
今、当社の生産機能は、期待以上のことをやる生産になることを目指しています。お客様起点でのこのような考え方が、じわじわと風土のような形になってきたのではないかと思っています。
ものづくりコラボの目的とは?
清水目
当社グループでは、お客様向けに「ものづくりコラボ」という活動を行っており、知恵を共有する気づきの場として「約40のテーマ」をあげています。
例えば、BCPをどのように推進しているか、グローバル調達にどのように取組んでいるかなど、様々なテーマについてお客様とコラボレーションする機会をもっています。
お客様の声を通して多くの気づきを得られます。
一方、私たちが培ってきたノウハウをお客様にご紹介することでお客様の課題解決に役立つこともあります。顧客接点としてそんな活動をしています。
安部
コラボレーションしてソリューションするということですね。
清水目
はい、当社ではお客様の信頼されるパートナーを目指し、お客様の経営課題や業務課題の解決に向けて取り組んでおりますが、私が所属するD&M部門においても言行一致として活動しています。同時に、コラボレーションを通して、私共の業務プロセスや商品の進化に繋げたいですね。
安部
複合機という商品だけをみるのではなく、広い視野でお客様との接点や繋がりを作られていますね。
清水目
そうですね。直接、お客様とD&Mのメンバーがディスカッションできるのは、とても良いことでして、開発者同士だからこそ共有できることも多々あります。また、お客様に直接、触れることにより開発者の感性を上げることにもなりますね。
更にお客様やサプライヤーと切磋琢磨ができれば、日本のものづくりに何かしらの貢献ができるのではないかと、ものづくりに携わる身として、そんなことを心に持っています。
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